ヨリドコキッチン

日記

1週間前

ここで人生の最期を迎えた方がいます



昨年春から

あいりん地域で長年にわたり

路上で生活している人たちと

もう少し身近な

顔見知りの関係になりたいという思いから


NPO釜ヶ崎

あいりん労働福祉センター

山王訪問看護ステーション

それぞれのスタッフとともに

毎月1回ヨリドコキッチンで

ランチ会を開いています



ランチ会の案内チラシは

前日夜と当日朝に

暁光会のメンバーとともに

路上で生活している一人ひとりに

声をかけながらチラシをお配りします


毎月1回ですが

夜まわり、朝まわり、ランチ会を

続けていると

常連さんが少しずつ増えてきて


寡黙だった人が

ポツリポツリと話してくれたり


ずっとドアの外から

見ているだけだった人が


店内に入ってくれるようになったり


たまに近所で会ったときに

会釈してくれたり

じわーっとですが 

わずかな変化が生まれています


そんな月1回のランチ会に 
車椅子で路上生活していた
猫のおじさんもきてくれるようになりました
彼の話しは とにかく猫愛で溢れています


彼の近くで生活している人たちも
ランチ会にきているのですが
とにかくみんな その猫のことが好きで 
それぞれに呼び名が違うそうです


寝ているときに
僕の髪をむしってくると「エサ」のサイン
自分の毛髪が薄くなったのは猫のせいだけど
たとえ毛が薄くなっても愛しいので許してしまう とか


その猫が隣で寝ている

おっちゃんの髪の毛をむしりに行ったら

めっちゃ怒られてた とか


最近は「チビ」から「お嬢」に名前を格上げし
国勢調査の用紙には 
ご自身と「お嬢」の名前を記入して
同居人(同居猫?)として提出したり とか


10月になり急に寒くなり始めた頃
猫が寒がらないよう
毛布を譲って欲しいと事務所に来られ
看護スタッフが毛布とセーターを
お渡ししたのですが、そのときも 
いつもと変わらずお元気そうでした


数十年前に仕事を辞めて母の介護をしていた頃
医療、福祉、介護、地域のいろんなサポートを
うまく利用することができなかったそうで 
そのときの無念の思いが
いざ自分がしんどくなったときに
それらを 頑なに遠ざけるようになっていったそうです


1年ほど前から 信頼できる人との出会いもあり
暮らしの選択肢は劇的に広がりました


年金を受け取ることができ

ときどき身体を休めることができる
プライベートスペースを確保し


そのなかで本人が「ここだ」と思える場所で
マイペースに過ごしていました


そんな日々のなか
毎週早朝に朝まわりしている 

ふるさとの家の職員さんが
いつもの場所で心停止している彼を発見しました


早朝5時に私もその場所に訪れると
ちょうど救急隊が警察に

バトンタッチしたところでした
いつもの場所で 

本人のラジオはつけっぱなしでした


前日におしゃべりした人は 

いつも通りの様子だったので
まさかの出来事に驚いていました


「お嬢」は警察が納体袋にご遺体をいれたあとも
1番近くでちょこんと座って
最期の時間を一緒に過ごしているようでした


警察署に移送されたあと

ふるさとの家の職員さんと


荷物の片付けをしていると

本人の自転車のカゴから
「黒ねこのおきゃくさま」という

絵本がでてきました


翌日、看護スタッフが

この絵本を本屋で見つけて
事務所に持ってきてくれました



とてもよく似た

おじいさんとねこの物語でした


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