にしなりベンチプロジェクト73

ベンチプロジェクト

三角公園の近く

サービスハブ西成のメンバーが
農園活動をしている畑

この畑に生えている「芙蓉の木」をつかって
ベンチをつくりたい!!

この畑をこよなく愛するおじさんが
そんなことを言い出して始まった
9台目ベンチプロジェクト

芙蓉の木を切って

木の水分が蒸発するまで
しっかり乾燥させて


皮を剥いて


やすりをかけて

組み立てて

1年以上かけて、ようやく完成した
9台目ベンチは
飛田地域の「トキワ薬局」に置いていました

散歩の休憩場所として
このベンチでひとやすみする 
地元の高齢者が
ちらほら増えてきました

万博が始まった頃には
店主のお母さんが手作りした
ミャクミャクにデコレーションされて
癒しの空間になっていました

だけど気温が上昇してきた頃
このベンチに思わぬ異変が・・・

どうやら寒い時期には冬眠していた虫たちが
温かくなってくると冬眠から目覚めて
木の中で繁殖してきてしまったようなのです

自然の材木を扱うことの難しさを
改めて思い知らされた瞬間でした

「もう無理ちゃう?」
という、周囲の人からのあきらめモードの雰囲気を

「いや なんとかなるやろ!!」と
このおじさんは あきらめずに
試行錯誤を繰り返していきます

2025年7月

一旦ベンチを別場所に引き上げて
バラバラに解体して
殺虫剤を噴霧したり
天日干しにしたり
防腐剤を塗ったり・・・

とにかく やれることは全部やっていました

ようやく虫の繁殖する活動が止まり
ベンチから白い粉が付着することもなくなりました

2025年10月

もうこれで大丈夫だと
ベンチの組み立て作業をしていくことに

サービスハブに通う人たちにも手伝ってもらいながら
ようやく組み立てが完成しました

おじさんが完成したベンチに腰掛けて
ぐらつきを確認します

ベンチに座って
「よし、いける!!」と手応えを感じたあと

わたしも同じように
ベンチに座ってみたところ・・・

わたしが座った瞬間に
「バキっ!!!!」

そこにいる
みんなの時間が数秒止まったかのように
しばらく音のない 沈黙の時間が漂いました

あんな悲しい時間は
長い人生のなかで
そうそう起こることではありません

誰もわたしを責めず
壊れたベンチではなく
尻もちをついた私の安否を心配してくれ
落ち込まないようにと気遣ってくれます

このベンチにかける おじさんの
並々ならぬ熱量やこだわり
計り知れない時間を費やしていたことも
ずっと見てきただけに 
心の底からショックでショックで・・・

バキっと折れてしまった材木の内部は
虫が食い尽くした影響もあり 
空洞化となりスカスカの状態でした

これが店舗前に設置されて
通りすがりの人が座ったときに 
バキっと折れてしまわなくて よかったと
いま振り返ると 冷静にそう思えます

トキワ薬局の9台目ベンチ
紆余曲折あり制作期間も含めると
2年間以上にわたり取り組んできた愛着あるベンチ

ここでさいごを迎えることになりました

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